神々の闘争は、いつまで続くのかな?
みんなが前を向くようになって、私はどんどん不安に陥った。
私はみんなのように、クリスタルを持つことは出来ない。
「」
コスモスが私を呼ぶ。
「私には分かりません。貴女も、みんなも」
クリスタルを求め続け、神々の闘争を終わらせたとしても
また戦いは繰り返されるというのに。
「彼らは道を見つけるのです。
クリスタルを手に入れることによって、道だけでなくその“意味”も」
意味?クリスタルを手に入れる意味?
「クリスタルは希望の光なのです」
何度も聞いた言葉。
希望の光?そんなものどこにも無いくせに、なんて思ってた私。
「、彼らを宜しく頼みますよ」
と言ってふっと消えた。
この頃コスモスが、長い時間出てこない。
コスモスが何かを隠しているのは薄々感じているが、それが何なのか私にはさっぱり分からない。
「やっぱり、貴女たちはわからないわ」
ポツリと私は零した。
「ー」
と遠くから聞こえる声。
その声の持ち主は、ジタンでその後ろからバッツ、スコールが帰ってきた。
「ジタン、バッツ、スコール。無事だったのね」
先ほどまで出していた不安の顔を隠し、微笑んだ。
「それより見ろよ、これ!」
とジタンが右手を前に出す。
何が起きるのかと思えば、ぱっと石みたいなのが出てきた。
「これは...?」
「それが“クリスタル”さ」
とバッツが言う。
そして、バッツとスコールも、右手を出しクリスタルを出す。
「これが、クリスタル」
神々しい輝き、希望の光。
まじまじと見ていると
「おーいっ!」
と遠くから手をぶんぶんと振っているティーダの姿。
その後ろに、クラウド、セシル、フリオニールの姿。
また違う方向から、ウォーリアの姿。
そして、ティナとオニオンナイトの姿も。
みんなクリスタルを持ってきたんだと、一安心したら次の不安がよぎった。
「コスモス?」
そう、このクリスタルからはコスモスの力が感じられる。
呟いてからすぐに周りを見渡す。
彼女の姿は無い。
「どーしたんっすか?」
「何かあったの?」
とティーダとティナが私の顔をうかがう。
その瞬間、目の前に黒と赤が入ってきた。
「カオス」
混沌の神、カオス。
何故カオスが?と思えば、カオスの目の前にはコスモスが。
みんな口々に、コスモスの名前を出す。
でもコスモスはその場から引こうとはしない。
「それで良いのか?」
「彼らは知らなければならない。本当の闇を」
はっきりと聞えた話。
そして目の前でコスモスは、カオスの手によって消えた。
この世は混沌の世界へと陥る道をたどることになった。
「そんなっ」
今まで、コスモスがいなかったことはない。
混沌の世界を元に戻すことができない。
調和がなければ、どこかで....
透けていく体
消えゆく運命
「ッ!」
声を出してもらっても、この体が消えることに変わりはない。
クリスタルが、本当にコスモスの力だとすれば
「コスモスっ」
貴女は自ら命を絶ったということになる。
何故?何故?と何回も心の中で唱えても答えは返って来ない。
そして私も、無の世界へと帰らなければならない。
涙がこぼれる。
私だって、何かみんなの力になりたかった。
こんな運命じゃなかったらと考えて逃げ出したくなったこともあったけど
でも、コスモスの覚悟が命をかける覚悟なら
私も、それなりの覚悟をして消えるべきだと思う。
「クリスタルが、道を示す」
薄れる意識、霞む世界
「道に迷うことがあるかもしれない、全てを疑いたくなるときがあるかもしれない。
でもそれでも、道は..クリスタルが示してくれる。
だから、だからっ」
また繰り返される運命だとして、私がまた復活するのなら
「終わりを見つめないで、始まりを見つめて」
だからと言って逃げはしない、始まりがこの世の希望となるのなら