「」



愛しい人の声。


ずっと遠くから見てて、やっと手に入れたの。


ギュっと抱きしめられれば、下向いて頬が赤く染まってしまう。



恥ずかしいくらい女の子になってしまう私。



世界一、大好きな人。






「一護」



と微笑んで抱きしめ返す。


貴方の腕の中に居るのは私。


私だと、主張するように。









それでも、貴方の中を私でいっぱいにすることはできない。


できるわけなかった。





ずっと、ずっと付き合ってくれることを了承してくれた時から、わかっていた。



でも無視し続けてきた。


最初の頃は全然気が付かなかったけど。



それでも気付き始めた時は、嘘だと信じなかった。




それでも貴方を私でいっぱいにできたら、できるのなら


私に笑ってくれると、一緒にずっと過ごしていけると思っていた。




貴方の作った笑顔、それを見るのが一番辛い

貴方が、私の気持ちを汲むように抱きしめてくれていること、知っているの


貴方が私を抱きしめたいわけじゃなくて

私が抱きしめて欲しいと思っているから、それを理解してしてくれているだけ。



いつも、貴方の中に居るのは私じゃないことくらい

近くにいればわかるの。




「、遊園地行くんだろ？早く行こうぜ」


と抱きしめてくれていた手が、私の手を握る。


「うんっ」



貴方の作り笑いに、私は笑顔で返した。

抱きしめてくれる　でもだから余計に悲しくなる

だから今日でばいばいするよ。


大好きだから、大好きだから


「一護、別れよう」


辛い貴方をみるのは、私も辛いから。